ヤマガラの3匹の赤ちゃん
投稿者 :榎本千絵 on
3羽の赤ちゃんを連れて、ヤマガラが窓辺の餌場にやって来てくれました。
山中湖に引っ越してきて20年経ちましたが、初めてのことです。
ヤマガラはとても用心深く、子育て中は鳴き声すら周りに聞かせないようにするとのことで、
今まで赤ちゃんのヤマガラは一度しか見たことがありませんでした。
ところが、です。
今年は、丸々太った赤ちゃんをまとめて連れてきて、
「可愛いでしょう?」と言わんばかりに、私の直ぐ目の前で
何度も麻の実を割って、口移しで食べさせて見せてくれるのです。
赤ちゃんたちは、大音量でチーチー鳴きます。
薄い模様も日に日に濃くなっています。翼をバタバタさせるのも減ってきました。
くちばしは、相変わらず黄色です。
今日は、親鳥とは別に、3羽の赤ちゃん兄弟が単独で遊びに来てくれました。
私の顔を間近に見ても、怖がっている素振りは見せません。
表情が豊かで、一足先に巣立って大きくなったこどものヤマガラが
直ぐ側に餌を食べに来てトントン割ると、
一匹残された赤ちゃんのヤマガラが
口を大きく開けて、頂戴、頂戴、とおねだりするのですが、
こどものヤマガラは知らん顔で、飛んで行ってしまいました。
それを大いに不満そうな顔で見つめる赤ちゃんのヤマガラの表情が
とても愛らしく、今まで赤ちゃん鳥にも表情があるなんて、
ほんとうに知りませんでした。
親鳥のヤマガラくんは、私にとても馴れていて、
毎日だいたい決まった時間にやってきます。
来ると、わざと大きな音を立てて、トントンと麻の実を割り、
それでも来ないと、ジージーと催促するように鳴きます。
朝は8時頃に。昼は、12時頃。私が大祓の祝詞を奏上すると、声を聞いてやって来ます。
祝詞が終わるまで、トントンし続けるので、心の中で、「待っててね」と言いながら、奏上しなくてはなりません。
夕方は、赤ちゃんたちを連れて。
夜寝る前は、水浴びをして、びしょびしょになって来ます。
私は、「あれ、ガラちゃん、びちょびちょね。びちょびちょちゃん。」といつも同じ事を言うのですが、
あまり濡れていないときは、「あれ、今日は少しびちょびちょ?」と聞くと、
分かりやすく目の前でグルーミングして、濡れていることを教えてくれます。
まるで言葉が分かるようです。通じ合っているのです。
私がヤマガラのことを大好きなので、ヤマガラが来る度に、「ガラちゃん、ん~」と言うと、
他の鳥が焼き餅を焼いてか、飛んで来ます。
ヤマガラのいないときに、鳩が来て、私の顔をまじまじと見るので、
「鳩さん、ん~」と言うと、まんざらでもなさそうです。
みんな、可愛いと言ってもらいたいようです。
野鳥は、実は甘えん坊なのでした。